1999年10月03日

地下室の湿気・カビ対策


相談内容:
小杉様 ホームページ「これぞ・地下室」を興味深く読ませていただいております。小杉様の地下室にかける執念、意気込みが感じられて、私も地下室をつくる際にはこのような方にお願いしたいと思った次第です。

しかし、読者からの湿気対策についての小杉様のご回答を見て正直のところがっかりしてしまいました。誠に失礼な言い方ですが小杉様はまともにこの問題について研究なさったことがあるのでしょうか。

私は建築については素人で、自宅の改築にあたってこの2年間色々と見聞きしてまいりましたが、カビ結露に関して最も説得的であったのはパーマストンの遠藤さんのホームページでした。

素人故おろかな誤解をしているのであれば是非教えていただきたいと存じます。


1999/10/03#1 TH様 (?県?市)


回答内容:
かなり直接的な言葉に驚いております。

ご意見の内容は「外断熱」についてのものだと思いますが、
その優位性は存じ上げております。
しかしながら現状では、坪単価60万円の住宅において
工事費が坪単価で10万円上がって坪単価70万円になってもよろしければ
こうした工法もとれるでしょう。

建築にはいろいろな制約があり
その部分だけを論じれば、出来あがる建築も
その部分だけを強調した建物になってしまいます。
コスト意識をもってなお建物にはバランスが必要なのです。

工事費に「糸目をつけない」お客様ならどんなことでも提案できますが
自ずと選択肢には優先順位というのが生じます。

「その中で最大限何を提案することが望ましいのか」
それをいつも考えております。何をさておいても「外断熱・高気密・高断熱+24時間換気」というお客様には他の仕様を押さえてでもその仕様にいたします。工法も木造在来工法より2X4枠組壁式工法を選択しますし、断熱材も壁内に充填する建築といたしましょう。

窓の数も大きさも必要最低限にとどめ「外断熱・高気密・高断熱+24時間換気」の建物にすることは問題なくできます。工事費用は坪単価70万円以上はかかっていきます。余分なものを排除してもなおこの価格です。

ご案内のホームページで述べられております内容を機会があれば
ぜひ実践してみたいと思います。
ただし、理論を追求いたしますので設計監理は
「外断熱・高気密・高断熱」に徹底させていただくことになります。
室内環境の整備を要求されることはかまいませんが
工事費用はどんどん上がっていきますのでご了解ください。
 
さて、住宅関連メーカーはその組織と経済力によって強力にいろいろな研究機関にデータ分析を依頼してはそれを公表することができます。確かにこれらは研究の成果でしょうが、これと弱小の設計事務所の提言を比較して「研究しているのか」とは土俵の違った議論のような気もします。私もこうした組織と経済力があれば「外断熱・高気密・高断熱+24時間換気」のデータ分析をしてみたいものです。

また、このホームページの作者は正論を述べていると思いますが「ハウスメーカーや施工会社や資材メーカー」ではないことを祈りますし、工事坪単価が上がらずにこうしたことが出来るのであれば私はこれを採用したいと考えます。
結露の発生メカニズムと断熱材はその通りだと認識しております。

これまでに、理論も実践もありながら
「ほとんどのハウスメーカーが間違いをいっぱい犯している」ことに
一般の方々に気付いて欲しいと望んでいます。

何処の2x4ですら、すでに間違えを大量に排斥しているのですから・・・。
高気密・高断熱でさえ「24時間換気」なくしては成立しない状態を作り上げてしまったのは誰でしょう。
 
もうひとつ、我が家の地下室も約18年前に外断熱+内断熱で施工しました。
外にも中にもフォームポリスチレン厚さ50mmを入れています。
地下底盤にも同じものが敷かれてその上に建物を載せています。
それでもカビました。外断熱を行ってもカビは発生しました。
内部に水蒸気を発生するものがあればどんなことをしてもカビます。
内断熱をしても、外断熱をしてもカビるのです。

なぜか?
この答えは「日本のコンクリート自体に原因がある」ことに気がつきました。
これを改善したのは除湿と換気でした。
私は東京の自宅でこれを実践し経験し改善したことを
そのまま以前のご相談者に返しました。
ただそれだけです。

外断熱が完全であるとは思っていません。
理論を以って証明しているわけでもない改善策ではありますが
私が体験していないものを、
また、実践し改善が確認できていないものを
施主に「理論的に話せたところで」
私はこれを売ることは出来ないと考えています。

根本的に日本の風土の中では海外の考え方を以ってしても
必ず海外の事例のようにはいかないと考えています。
申し添えますが、もっとも身近なカビの発生源では
「浴室」はその最たるものです。

あなたはおそらく結露対策について言われているとは思いますが
もっとも湿度の高い浴室でのカビの発生への処方はどうでしょうか?
私は「外断熱」に似た工法、「内断熱」に似た工法と共に、
「通風・換気」の両極面を提唱しています。
 
もうひとつ、地下室の湿気・カビに対する処方では、
「外断熱」は「周囲の土」が相当な「断熱材」です。
外気に接する地上建物に比較して、地下室周囲の土の温度はあまり変化なく一定です。(氷雪に接した場合は除く)外部温度(基礎外部側)に対して「結露が生じる」となればそれは室内温度が高く水蒸気が多すぎるからでしょう。

一軒の家で地下と地上の部屋温度を一定にした場合(20℃前後)、地(土)中温度(5℃程度)、地上温度(−10℃以下)という条件下では地上階のみ結露が発生します。それでも地下室で結露が発生するというのであれば「室内部の水蒸気は過飽和状態」とする方が正しいと思います。夏の地下室と冬の地下室では夏の方が湿度が80%を越えることが多く、冬は湿度が60%以下がほとんどです。

カビは夏場に多く発生しやすいと自宅地下室での湿度計で判りました。
したがって除湿機は常時起動しています。
過去にはカビの発生がありましたが、現在ではほとんどありません。
この見解でもご案内のホームページとは意見が異なります。


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posted by 回答者:小杉 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 地下室をつくりたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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